認知症ってどんな病気?
日本人の高齢化に伴って、認知症患者数は今後高齢者の5人に1人へと急激に増え、軽度認知機能障害(MCI)も含めると実に高齢者の3人に1人となると予想されます。
注)軽度認知機能障害 (MCI: Mild Cognitive Impairment)
- 記憶障害の訴えが本人または家族から認められていること
- 日常生活動作は正常であること
- 全般的な認知機能は正常であること
- 年齢、教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在すること
- 認知症ではないこと
認知症は病名ではなく、人間の活動をコントロールする脳・神経の細胞が様々な原因で減少したり、働きが悪くなったりすることによって、記憶や判断力に障害が起こった状態を表す用語です。認知症を引き起こす病気は種々ありますが、代表的な病気としては以下の4つがあります。
- アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)
脳が委縮していく病気で認知機能の低下、人格の変化を症状とします。特に日本ではアルツハイマー型認知症は認知症の6~7割さらに老年期(65歳以上)になると8割に達するとの指摘もあります。 発症初期は、記憶力は低下しますが、人格は保たれていることが多いといわれています。 - (脳)血管性認知症
脳梗塞や脳出血など脳の血管に異常が起きた結果、認知症になるものです。麻痺や感覚障害など神経症状を含め、障害された機能と、障害されていない機能が混在します。 - レビー小体型認知症
進行性の認知機能障害に加えて、幻視症状とパーキンソン症候群を示す変性性認知症。神経細胞の中にレビー小体が異常蓄積し発症するものです。 幻視、睡眠障害、失神、バランス失調、転倒などの症状がみられます。 - 前頭側頭型認知症(ピック病)
脳の一部(前頭葉や側頭葉)にタンパク質がたまり、組織が委縮するなどした結果、脳内で行動を抑制する部分が傷つく認知症です。 人格、性格が極端に変わってしまうような症状がみられます。(不潔を気にしない。物を盗って平気で食べる。など)
なお、アルツハイマー病と(脳)血管性認知症との混合タイプも少なくありません。