今回は、「あぶら」をとりあげます。
「あぶら」には、常温で液体のあぶら(油)と個体のあぶら(脂)があります。これをまとめて油脂と呼んでいます。
体に良いあぶらと悪いあぶらに関しては、ここ7~8年の研究によって良い、悪いの考え方が大きく変わってきているようです。
ひと昔前は、動物性の油は、カロリーが高く肥満につながり、更に悪玉コレステロールや、中性脂肪が増えるため極力減らすべきと断定的に言われていました。(コレステロールについては、別の回に、詳しく述べたいと思います。)
今は、コレステロールを単純に悪玉、善玉と分けるのではなく、加齢により血管が弱くなることを防ぐ効果、植物性でも摂取が多すぎるとアレルギーを引き起こす可能性についても触れられるようになっています。従って、バランスよく摂取、それらの特徴を生かすことが肝要と言われています。
バランスよく摂取? どんなバランス?詳しく言うと、長くなってしまうので、とりあえずこれだけははっきり言っておきます。
どんなにダイエットしたくても、あぶらを抜いては絶対ダメ!!です。
あぶらは身体にとってめちゃくちゃ大事な成分です。ホルモンも細胞膜も脂質(いわゆるあぶら)によってできています。あぶらを抜いてしまうと、肌や髪ががさがさになり潤いをなくしてしまいます。また、あぶらには空腹感を遅らせる効果もあり、上手に選択すればダイエットの味方にもなるのです。
からだによいあぶら、オメガ3脂肪酸のひとつ「α-リノレン酸」
「α-リノレン酸」は、人間の体内では合成できない不飽和脂肪酸です。生物として生きていく以上極めて重要な成分であるため必須脂肪酸とも呼ばれています。皮膚だけでなく脳や神経にも影響があると言われています。「α-リノレン酸」を多く含む食品は、荏胡麻油、亜麻仁油、くるみ、なたね油などがあげられます。
私のお気に入りの食べ方
・野菜サラダに荏胡麻油(えごまベース)―1日約小さじ1~2杯
荏胡麻種子から絞ったあぶらに「α-リノレン酸」が含まれています。この成分が、今よく言われている、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)に変換されて血液をサラサラにし、脳の働きを活性化する効能があると言われています。ほうれん草やくるみなどからも摂取出来ますが、荏胡麻油がお手軽。亜麻仁油、紫蘇油でも構いません。基本、サラダ油は使用されないことをお薦めします。
・揚げ物は、お好みで
揚げ物にはてんぷら、串カツ、トンカツなどが、メイン食だと思いますが、お勧めはいい加減なようですが、動物性でも植物性でも食材、料理をする人、食べる人の好みで結構です。毎日朝昼晩揚げ物を食べる人はいないとの前提で言えば、動物性あぶらも植物性あぶらのどちらにも、人にとって欠くことができない理由があるためです。詳細はコレステロールの回に譲りたいと思います。
因みに、銀座の「てんぷら近藤」(店名すべて敬称略)では、太白胡麻油と太香胡麻油のブレンド、「てんぷら山の上」では、太白胡麻油と、ゴマを炒った後絞られる純正胡麻油を利用、串揚げの名店「はやし神楽坂」や、二子玉川の「串亭」は、100%ひまわり油、歴史ある「はん亭」は胡麻油とラードに植物油ということでしたが、多分ひまわり油じゃないかな?(あくまで推測)。トンカツでは、圧倒的人気の大門「のもと家」は、2種類のラードのブレンド、神楽坂の「あげつき」は、植物油としか伺えていません。それにしても色々でしょう?(東京限定ですみません)
あーッ、いけない! 全部行きたい。そして前回書いた、「自然の欲望にまかせる」になってる・・・。さすがにこれでは血圧は下がらないでしょう。
次回は、オリーブオイル、トランス脂肪酸に進む予定です。
朝ドラ風にTo be continued