とりあえず妥当な判断なのか?
皆様もご覧になられたでしょうか。
12月22日厚生労働省は、薬事・食品衛生審議会を開催し、アルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の承認可否について審議をいたしました。その結果、「有効性を明確に判断することが困難」として承認判断を見送りました。今後行われる臨床試験の結果などの報告を受けて再審査する、いわゆる継続審議の判断をしました。
このブログですでにお知らせしていますが、アメリカでもアメリカを代表する2つの医療機関が患者への投与を見送るなど、多方面で逆風が吹いているように思います。開発に日本の製薬大手エーザイが深くかかわっていることもあり、ヨーロッパ的な結論ではなく、今後に含みを持たせる継続審議は、妥当な判断かもしれません。
私個人の意見を申しますと、アミロイドβがアルツハイマー病の原因のすべてではないと思っています。脳の神経線維を破壊する過剰にリン酸化しているタウたんぱくの存在、それらによって引き起こされる脳の神経細胞の衰弱も見過ごすわけにはいきません。それらを跳ね除け、神経細胞の再生・軸索の再伸・情報伝達のネットワークを形成していく根本治癒に向かう薬、加えて副作用がない薬が一日も早く開発されていくことを願っています。
このネットニュースに係る読者の反応を読ませていただくと、いかに多くの方々が、このような薬を待ち焦がれているか改めて知らされます。
レジリオ社でも、現在軽度のアルツハイマー病の患者への臨床試験を見守っています。世界のありとあらゆる叡智を集めて、根本治癒を目指す創薬が早期に成し遂げられることを2022年の新年に向けて祈念したいと思います。(naka)