「脳は何歳からでもよみがえる」
人間の脳神経細胞は加齢によってもそこまで大きく減少しません。
鍵は神経の脇に出る「神経線維」です。
シナプスが育つ生活を送れば、
いつまでも若々しい脳を保てます。
中冨浩文 著 アチ―ブメント出版
本のタイトルと帯に書いてある5行の文章に惹かれて購入しました。
著者 中冨浩文氏は世界的に著名な脳神経外科医で、現在は杏林大学医学部脳神経外科教授です。(一言では到底紹介できないのでプロファイルURLを最後につけておきます。)
この本は、私どもの商品のキャッチフレーズ「いつまでも笑顔の生き活きライフへ」を目指したい方には、是非読んでいただきたい本だと思いました。
「脳を知る」「脳を守る」「脳を育む」ために必要な知識を、時には専門的な説明も交えながら、脳を労わって育むことの大切さ、方法について丁寧に書かれています。
どのようにしてアルツハイマー型認知症になるのか、ほんの一部引用させていただきます。
正常な人の脳血流は1分間に100グラムあたり50㏄で、一定の血流を保つために血管作動物質(ホルモン)によって制御されています。神経や脳の活動が上がれば血流を増やすよう神経調節が行われています。脳は体重の2%の重量しかないにもかかわらず全酸素消費量の20%、グルコース(ぶどう糖)は25%も消費する大変燃費が悪い臓器だそうです。
加齢による血管機能の低下が、脳機能すなわち認知機能を低下させます。神経線維周辺の加齢などで老けていく血管を取り巻いている細胞(ペリサイト)が剥がれます。これが血液脳関門に障害を引き起こし、血中の有害物質が酸化障害や炎症を引き起こします。脳内ネットワークの主軸である神経線維の中でこのような異常が先に起きていて、脳の老廃物排泄機構の機能が不十分になりアミロイドベータやタウたんぱく質がたまり神経細胞が埋もれ死滅していくことになります。このような経緯ですが、10年20年と長期にわたって蓄積される上記たんぱく質によって引き起こされるといわれているアルツハイマー型認知症では、以下のような症状が出てまいります。
・記憶障害(例 朝ご飯を食べたかどうかが分からなくなる 等)
・判断能力の低下(例 料理の食材、手順等わからなくなる 等)
・見当識障害(例 日付がわからなくなる、時計の針の位置がわからなくなる 等)
今回は、脳の老化を予防する方法を一つご提案しようと思います。その方法、意味についてもこの本に書かれています。私もここ数年続けていることで自信を持っておすすめできます。
それは「利き手と反対の手を使う」ことです。
脳の左右の半球は体の反対側を制御する「交差支配」であることはよく知られています。右脳が左半身を、左脳が右半身を制御しています。右利きの人が右手ばかり使うと左脳を使う頻度が上がります。そうして左右の脳のバランスが崩れていきます。
私は右利きなので、ボトルの蓋を回すときは右手を使います。歯ブラシから箸、スプーン、鉛筆、筆に至るまで右手が得意です。数年前に自転車で転倒した折、右手のこぶしを複雑骨折しました。当然ながら左手を使わざるをえない状況になりました。その時手術していただいたドクターに言われ、完治した今でも生活に差し支えない程度に左手を使うようにしています。
この本では、「利き手と逆の手を使うと不便で、もやもやする感覚があります。それこそ脳のシナプスを置き換えているプロセスなのです。」と言われています。もやもやは時折イライラに通ずるものがあります。が、そのうち慣れてきます。左手を使うことで右の脳細胞が活性化していくようで嬉しくなります。ただマウスを左手で操作することだけは、イライラから抜けられません。(左手用のマウスを使うともう少し違うのかもしれませんが 笑)
著者も同様な経験はもとより、もっと難度の高い手術ができるようにと、日々鍛錬されておられるとのことです。それを励みにして、私も「逆利き手の積極的使用」を推奨しています。
この本には、他にも脳を育む方法、脳神経回路の活性化を図る方法が書かれています。
ご興味あれば是非手に取ってご参考にしていただければ嬉しく思います。そして「何歳からでもよみがえる脳」で「いつまでも笑顔の生き活きライフ!」を楽しみましょう!!
「脳は何歳からでもよみがえる」
中冨浩文 著 アチ―ブメント出版 定価1,397円(税込)
中冨浩文教授のプロファイル
https://nakatomihirofumi.com/profile/