今回は、目についての朗報 東田教授が新しく発表した論文についてお伝えします。
この度、弊社商品「健脳ジオスゲニンゴールド」の開発者である、東田千尋(とうだちひろ)富山大学教授は緑内障に関する新しい論文を発表されました。(注1)タイトルOral administration of diosgenin protects optic nerve degeneration in a mouse model of normal-tension glaucoma(日本語訳 ジオスゲニンの経口投与は正常眼圧緑内障のモデルマウスにおける視神経変性を防ぐ)
経口投与されたジオスゲニンが
緑内障モデルマウスの視神経や脳内に届くことが確認されたこと、
傷んだ軸索に延伸効果が認められたことで、
緑内障による視野欠損を回復させる効果が期待できると発表されています。
長寿社会において失明原因第一位の緑内障は、大きな課題です。日本には少なくとも600万人以上の罹患者がいるといわれています。知覚情報の9割近くを担当するのは目の機能ですから、それを維持するということは、大変重要なことです。
緑内障患者は末期になるまで気付きにくいと言われています。
治療方法について、東京大学医学部眼科学教室の相原一(あいはらまこと)教授は次のように述べています。
「緑内障は、白内障とは違って、現在の医療では、障害された視神経をもとに戻したり、代わりになるものに置き換えたりすることはできず、眼圧を下げる治療しかありません。」(緑内障眼科の名医10人が教える最高の克服法大全 文響社刊 2020年)
東田教授は緑内障研究のきっかけについて次のように述べています。
「緑内障は目にある神経細胞が弱って脳の中の視覚野という場所に信号が届かなくなって視野が欠けていく病気です。視野が欠けていくのを食い止めるためには、目の細胞を守るだけでは十分ではありません。目から脳の中に伸びて行っている軸索の減少、およびそれを受け取って視覚野まで伸びる軸索の減少を止める必要があります。そのような薬はまだ開発されていません。」
東田教授は、ジオスゲニンが脳内の神経における神経線維を修復・再生する効果をすでに検証していますが、視神経にも同様な効果を及ぼすのではないかという仮説を今回の論文で検証しています。
正常眼圧緑内障モデルマウスは、目の神経細胞から脳内へ伸びる軸索が減少し脳へつながらなくなっています。経口投与したジオスゲニンは脳内にも目にも到達し、軸索が伸びていることが確認されました。
結論として、ジオスゲニンの経口投与は視神経を保護しました。
ジオスゲニンは脳と眼に作用することで、緑内障による視野欠損を回復させる効果が期待できると考えます。
ただ、マウスは欠けている視野(狭くなっている視野)が回復したかどうかは、教えてくれません。(口が利けるとよいのですが)
次は、やっぱりヒトでの臨床試験でしょうか? 大きく期待しながら見守っていきたいと思います。(naka)
(注1):Phytomedicine Plus, Volume 5, Issue 3, 2025, 100823
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2667031325000958?via%3Dihub