認知症関連 栄養成分

スーパーフード「カカオニブ」(2)

投稿日:2024年3月2日 更新日:

 

前回は、カカオニブに含まれる栄養素のひとつポリフェノールをお伝えしました。

(カカオニブとは、カカオ豆を発酵、ローストして細かく砕き、外皮と胚芽を取り除いて胚乳(ニブ)だけにしたものです。カカオニブをさらに加工するとチョコレートができます。)

ポリフェノールだけでもカカオニブは大変魅力ある食品だとご理解いただけたと思います。

 

前回のブログを読んで、早速カカオニブをご購入なりご注文された方はいらっしゃいますでしょうか?その方の行動力は本当に素晴らしく、認知機能の衰えなどどこ吹く風ですね。

 

カカオニブを取り扱っているお店もありますが、地域によっては限られるかもしれません。通販なら比較的簡単に手に入ります。ネットで検索すると10数社から販売されていました。大体100gのパッケージで800円~1,000円程度。500gでは2000円程度。(100gあたりの価格が約半額)。私は1日5~10gを食べるので割安な500gパッケージのものを購入しています。ペルー産、インドネシア産が多く、クリオロ種、トリニタリオ種の豆がよく使用されているようです。

カカオニブに含まれる成分の話に戻りましょう。

1.テオブロミン

テオブロミンは、天然に存在する化合物で、カカオだけでなく、マテ茶、コーラ、ガラナ、チャノキなどにも少量含まれています。テオブロミンには、カフェインと似通った覚醒感が期待されます。適量であれば眠気を取り払いリラックスできます。過剰摂取すると睡眠の質の低下や、もやもや感を増幅する結果となります。カフェインとの違いとしては、カフェインは脂溶性になり脳への移行が早く、30分程度でピークを迎えますが、テオブロミンは水にも溶けにくい結晶性でもあるため、脳への移行が遅く約2~3時間後にピークを迎えます。

 

テオブロミンはカフェインと同様に摂取用量には十分注意する必要があります。言うまでもなく、小児や妊婦は控えるのが賢明です。

 

テオブロミンは覚醒作用、すっきり感をもたらす化合物で、適切な摂取量を取ることで、健康をもたらす一方、副作用を最小限にします。

 

カカオニブに含まれるテオブロミンの量について、少しご説明をします。カカオニブにどの程度のテオブロミンが含まれているか明確な資料を見つけることはできませんでした。日本チョコレート・ココア協会の実測値の例(ハイカカオチョコレート(カカオマス70%))25g(板チョコの約半分)では、229mg、ココアパウダー(脂肪23%)5gで105mgとなっています。カカオニブ25gを、カカオマス100%と想定して計算すると、229/0.7≒327mgになります。一方25gは、大さじ山盛りで約2.5杯になります。が、せいぜい頑張っても(頑張る必要は全くありませんが)10gといったところでしょうか。10gでは、約130mgとなって、色々な指標がありますが、標準的に一日250~280mg以内と言われている範囲以内に十分収まります。くれぐれも適切な摂取量を厳守してください。(犬や猫にチョコレート類をあげてはいけないメカニズムは人間と異なりますが、ここでは割愛します。)

2.フェニルエチルアミン(フェネチルアミン)(PEA)

長い名前なのでここではPEAと言います。PEAは、「恋するホルモン」「恋愛ホルモン」ともいわれます。恋心に胸がキュンとなるときに感じる快楽をつかさどるドーパミンやノルアドレナリンの放出を促します。脳下垂体から分泌されます。

カカオニブ、チョコレートには、微量ですが重量として、約0.0006%のPEAが含まれているそうです。1g(1,000mg)を摂取しようとすると、膨大な量のチョコレートが必要になります。

 

ラットが恋にときめく行動をさせる量をヒトに当てはめるとPEAを2~3g摂取する必要があるそうです(注1)。また、人間の脳には血液脳関門という機能があり特別な成分以外には脳に入れないような仕組みになっています。つまり、この分野では、自然体で、自分の身体にお任せするのが賢明だと思われます。

 

3月14日、ホワイトデーにお返しチョコレートの魅惑的な香りと味をお二人でお楽しみながら胸キュンしてください。

 

カカオニブ、チョコレートには本当にたくさんの成分が入っています。今回述べていない成分で大事なものの一つはカフェイン。これはまた別の機会に。

 

(1)http://www.chocolate-cocoa.com/symposium/pdf/sympo_16d.pdf

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