認知症関連 最新情報

世界五大医学雑誌

投稿日:2024年5月10日 更新日:

前回ブログで、学術誌を参照したところ、有名な学術誌やそれらの評価について説明が欲しいとのお声がありました。

 

学術雑誌は、学術ジャーナルとか学術誌などと言われます。研究者によってまとめられた研究成果を学術論文として掲載する刊行物です。学術雑誌に論文が掲載されるためには、査読を受けなければなりません。査読とはその研究分野に詳しい専門家が論文内容の査定・評価を行うことです。この査読のプロセスがあることによって、研究内容の質、信頼性が担保される仕組みになっています。

 

学術雑誌は、様々な学問分野で発行されていますが、その分野の下位に属する専門領域ごとにも刊行されています。

 

今回は、新薬の発明など新しい視点からの医学や薬学に関する研究の学術誌として必ず登場する世界的に有名な学術誌をご紹介します。またその学術誌を相対的に評価する一つの指標インパクトファクターについて書いてみます。

 

ワインにも、ビッグ5と呼ばれる5大シャトーがあるように、医学雑誌にも「世界五大医学雑誌」と言われるビッグ5があります。

 

 

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン「New England Journal of Medicine」(NEJM)

世界で最も権威のある週刊総合医学誌の一つ。米国マサチューセッツ内科外科学会が発行。継続して発行されている医学雑誌のうちでは世界で最も長い歴史を誇り、また世界で最も広く読まれ、引用され、影響を与えている医学系定期刊行物となっています。

 

 

ランセット「The Lancet」

アムステルダムを本拠とするエルゼビア(主に医学・科学技術中心の世界的な出版社)が発行。

 

 

 

ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション「Journal of The American Medical Association」(JAMA)

世界で最も権威のある医学会である米国医師会(American Medical Association)(AMA)が発行。

 

 

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル「British Medical Journal」(BMJ)

 

国際的なピアレビュー(研究の成果を別の人が詳細に評価・検証―査読)の医学雑誌。英国医師会(British Medical Association)の監修のもとにBMJ グループによって発行。

 

アナルズ・オブ・インターナル・メディシン「Annals of Internal Medicine」

 

米国第2位の医師グループである米国内科医師会(American College of Physicians)が、主に内科およびその専門分野の専門知識等を公開・発行。

 

これらの学術誌は、同分野の雑誌同士を定量的に比較する一つの評価指標「インパクトファクター」(IF)によって相対的な影響力の大きさを計測されています。

インパクトファクターの計算にはJCR(Journal Citation Reports)というClarivate Analytics 社のデータベースを用います。JCRは、Clarivate Analytics 社が提供している、あらゆる学術雑誌を収録しているオンライン学術文献データベース(Web of Science )に収録されている論文ごとの引用・被引用情報のデータベースを言います。

2022年のインパクトファクターを算出する場合、下のような計算式で求められます。

 

2022年のインパクトファクター = 2021,2020年掲載論文が2022年に引用された回数 / 2021,2020年掲載論文数

 

すなわち、その学術誌に掲載された論文が、他の論文にどの程度引用されたのかを表します。

 

2020年から2022年の、インパクトファクターの高い順に並べてみます。

2020年

1 .ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン「New England Journal of Medicine」(NEJM) 74.699

2 .ランセット「The Lancet」60.39

3 .ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション「Journal of The American Medical Association」(JAMA)45.5

4 .ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル「British Medical Journal」(BMJ)30.2

5 .アナルズ・オブ・インターナル・メディシン「Annals of Internal Medicine」21.3

 

2021年

1 .ランセット「The Lancet」202.731

2 .ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン「New England Journal of Medicine」(NEJM)176.079

3 .ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション「Journal of The American Medical Association」(JAMA)157.335

4 .ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル「British Medical Journal」(BMJ)93.333

5 .アナルズ・オブ・インターナル・メディシン「Annals of Internal Medicine」51.598

 

2022年

1 .ランセット「The Lancet」168.9

2 .ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン「New England Journal of Medicine」(NEJM)158.5

3.ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション 「Journal of The American Medical Association」(JAMA)120.7

4 .ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル「British Medical Journal」(BMJ)105.7

5 .アナルズ・オブ・インターナル・メディシン「Annals of Internal Medicine」39.2

 

常にトップを走っていた、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン「New England Journal of Medicine」(NEJM)は、2021年に2位に陥落、ランセット「The Lancet」が最も高いインパクトファクターを獲得しました。これは、COVID-19関連の論文が世界中から多方面で引用されたことが影響したのではないかと言われています。それだけ、コロナの影響が大きく、多くの学者によって論文が引用された結果だと思われます。

 

注意しなければいけないのは、権威の高い雑誌に掲載された論文が優れていて、低い雑誌に掲載された論文が学術的に劣っていると考えることです。論文の評価方法については、今までも多くの議論がなされてきて、その中からインパクトファクターの考え方が生まれました。その他にも色々と議論・検討がなされています。またインパクトファクターだけで学術誌の優劣を決めるべきでなく、ましてやインパクトファクター至上主義に陥って、インパクトファクターの高い雑誌に掲載されたことだけで、研究者の昇進や研究予算の配分決定がなされるようなことは本末転倒もはなはだしいと言わざるを得ません。

 

最後にもう一言。学術論文の評価は本当に難しいそうです。

(naka)

Follow me!

-認知症関連, 最新情報
-, ,

執筆者:

関連記事

オンラインでコーラス!?その4

オンラインでコーラス!?その4 コロナに負けるな!ちょっといいこと11日目 さて、いよいよ 歌ってみます。   ピアニストのご自宅は、幸いなことにピアノが演奏できる部屋。 というのも、ご自宅 …

1-(2)bオリーブオイル-2

1-(2)bオリーブオイル-2 オリーブオイルのお話のど真ん中に、新しい年と新しい変異株オミクロンが登場ですが、新型コロナオミクロン株は避けながら、大変遅くなりましたが、明けましておめでとうございます …

和漢薬のちから

和漢薬のちから 天然素材の和漢薬は、生理活性物質の宝庫です。東洋医学に用いられる和漢薬の中にも、脳など神経系統に作用するものもあるそうです。 今回から、何回かに分けてジオスゲニン・ゴールド開発者でもあ …

オンラインでセミナー

オンラインでセミナー コロナに負けるな!ちょっといいこと24日目 コロナに負けるな!オンラインシリーズ オンラインでセミナーに参加しました。   先日YouTube大学をご紹介しました。Yo …

レジリオ社の「戦」

お久し振りです。ご無沙汰が少し長くなりました。来年からは、もう少しマメにブログの更新をおこなうことを宣言しようと思いましたが、来年のことを言うと鬼が出てきそうなので、静かに自分の中だけで宣言しています …

PAGE TOP