みなさま、2023年が良い年になるようなお正月を迎えられましたでしょうか?
遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
本年筆者(naka)第1弾のブログです。根が真面目?なもので、仕事関連のトピックで幕開けいたします。
◆アルツハイマー病新薬 米国で承認
まだまだお屠蘇気分が抜けない松の内の1月6日。「画期的なアルツハイマー病の薬」ということで、エーザイと米国バイオジェン社の共同開発の薬が、米国FDA(食品医薬品局)の承認を得たというニュースが飛び込んでまいりました。
ご存知の通りこの2社は、昨年もアルツハイマー病治療薬として「アデュカヌマブ」を発表。迅速承認[1]されて、世の中を騒がせました。しかし残念ながら結局のところ尻すぼみになった経緯があります。
◆アミロイドベータを取り除く「レカネマブ」
新薬の名前は、「レカネマブ」(商品名レケンビ)。脳内に蓄積され、神経細胞を傷つけるアミロイドベータ(たんぱく質)を取り除く(無毒化)作用を持つ治療薬です。長期的に症状の進行を抑制することがうたい文句となっています。
2023年1月9日に欧州医薬品庁(EMA)にも販売承認申請がなされ、日本においても2023年1月16日早期アルツハイマー病に関する適応で新薬承認申請がなされました。現在ある4つの認知症の薬(進行速度を少し遅くする)と異なって、長期的に効果が継続する根本的治療に近い薬であることを期待しています。
◆レカネマブの価格は年間2万6,500ドル(約350万円)
「レカネマブ」(商品名レケンビ)は、今後のデータ検証において当然のことながら安全性・副作用および効果について、慎重に検討されていくでしょう。年間薬剤費として米国では2万6,500ドル(約350万円、1ドル≒130円)と言われております。米国の公的医療保険の適用が受けられるようになるとしても、年間約5,300ドル(約70万円)の負担になると想定されています。治療を受けやすい価格提供にもぜひとも挑戦していただきたいものです。
◆アミロイドベータの除去および、傷んだ神経細胞を伸ばすジオスゲニン
レジリオ社では、ヤマイモ由来の成分ジオスゲニンが、マウスの研究においてアミロイドベータの除去および、傷んだ神経細胞の軸索を伸ばすことに注目し、ジオスゲニンを脳に届かせる特許を取得しました。さらに健常人での臨床研究により、健常な中高年の皆様の加齢に伴う認知機能を低下させずに維持していく機能を確認しております。
これを商品化したものが、「ジオスゲニン・ゴールド」です。
◆富山大学 東田千尋教授のジオスゲニン研究進む
富山大学和漢医薬学総合研究所の東田千尋教授のもとでは、現在、軽度のアルツハイマー患者を対象に臨床試験を行うとともに、ジオスゲニンによる神経細胞軸索が修復する精密な仕組みや、ジオスゲニンの多彩な効能をさらに明らかにする研究が進められています。
副作用のないジオスゲニン成分で、「レカネマブ」以上の効果が近い将来証明されることを強く願っています。
「レカネマブ」の詳細や今後の動向については、これからもお知らせしてまいります。
みなさまどうぞ「コロナ」に負けないで!
(naka)
[1] 深刻な病気の薬を早く実用化するために、効果が予測できれば使用を認める制度。但し、承認後も有効性検証の追加の臨床試験が必要。