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良薬は口に苦し!?ホップの苦み成分の巻

投稿日:2023年11月15日 更新日:

認知機能改善効果をもたらす素材として、前回はカマンベールチーズを取りあげました。今回はホップ由来ビールの苦み成分のお話をしましょう。少し難しくなっているところは、どうぞ読み飛ばしてください。

 

 

2016年11月、キリン株式会社は、東京大学、学習院大学と共同で、「ホップ由来のビール苦味成分であるイソα酸のアルツハイマー病予防に関する作用機序」を世界で初めて解明したと発表しました。ホップ由来のビール苦味成分であるイソα酸のアルツハイマー病予防に関する作用機序を解明|2016年|ニュースリリース|キリン (kirinholdings.com)

 

 

ホップはビールの原料として1000年以上にわたって使用されています。ホップ成分はアルツハイマー病予防効果、肥満抑制効果、発がん抑制効果、骨密度抑制効果などを有することが解明されたということです。それぞれ素晴らしい効果ですが、ここではアルツハイマー病予防効果に注目しましょう。

 

 

試験はマウスを使用して実施しました。ビール苦み成分イソα酸含有飼料を3ヶ月間投与します。そしてイソα酸含有飼料を含まないエサを与えられた対象群と比較しました。そうしたところイソα酸含有飼料を与えられたマウス群の方が、有意にアミロイドβの量が低下し脳内炎症も緩和しました。さらに脳内老廃物を除去するミクログリアも活性化し、神経細胞のシナプスの量も有意に増加したということです。まさにいいことずくめの報告です。

加えて世界最大の化学学術団体である米国化学会(ACS)で発表された研究でもビールに含まれるホップ化合物がアルツハイマー病の予防に役立つとの研究が掲載されています。

 

 

なめたことはないのでわかりませんが、ホップは相当苦いらしいです。キリンは、ホップを食品への活用を目指し、イソα酸の苦みを軽減する研究を重ねました。3年以上の年月をかけて「熟成ホップ」にたどりつきました。熟成ホップは、イソα酸と同じ成分を含み、苦みはイソα酸の1~2割と大きく軽減されました。

 

この熟成ホップを足掛かりとして機能性表示食品「働くアタマとカラダの脂肪に ホップ効果」というサプリメントが誕生しました。すこーし長くてそのまんまの商品名です。機能性関与成分は「熟成ホップ由来苦味酸」です。届出表示は、「本品には熟成ホップ由来苦味酸が含まれます。熟成ホップ由来苦味酸には、加齢により低下する認知機能の一部である注意力(集中して複数の視覚情報を同時に正しく判断して処理する能力)の精度の向上に役立つ機能が報告されています。また、熟成ホップ由来苦味酸には、BMIが高めの方のお腹周りの脂肪(体脂肪)を減らす機能があることが報告されています。」となっています。

 

注意力については、二つの論文が根拠となっていると思われます。注意力を測るテストの一つStroopテスト(注1)とSDMT(注2)の成績が有意に向上したことが書かれています。

 

 

さてここで、わたくしどもレジリオ社の「健脳ジオスゲニンゴールド」の機能性届出表示とくらべてみましょう。

 

「本品には、ジオスゲニンが含まれます。ジオスゲニンには、加齢により低下する認知機能を維持する機能があります。」

 

さきほどのホップは“認知機能の一部である注意力・・・“でした。認知機能の一部である注意力と限定されています。ジオスゲニンは、ヒトの臨床試験で総合的に認知機能が向上したことが確認されていますので、限定なしの(総合的)認知機能を維持する機能がありますとなっております(少し自慢ですね)。

 

 

ワインやら、ビールやらここもとおすすめしてまいりましたが、くれぐれも飲みすぎにはご注意を。適量は皆様にお任せします。ノンアルのビールも効果があるとのことなので、ご心配な方は是非こちらを。(naka)

(注1)Stroopテスト:例えば文字色は赤で「みどり」という言葉が提示されます。色名(あか)をこたえることが求められます。この場合、みどりという言葉の影響を受けてうまく反応ができないことがあります。これをストループ効果といいます。Stroopテストは前頭葉の注意や干渉の抑制機能を測定するための検査です。

 

(注2)SDMTテスト(Symbol Digit Modalities Test):(適当な日本語訳が見当たりません)まず、記号と数字の対応表が提示されます。制限時間内に記号に対応する数字を記入していく検査です。この検査では注意の配分性が評価されます。すなわち、複数の情報に同時に注意を向ける能力を測定する検査です。

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