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認知症治療薬「レカネマブ」の課題

投稿日:2024年1月23日 更新日:

2024年も皆様の健康寿命を延ばすためのヒントになるようなこと、認知機能にまつわる様々なニュースを書いていきたいと思っています。

 

2023年認知機能関連ニュースとして最もインパクトがあったのは、こちらではないでしょうか。

 

アルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」(商品名レケンビ)が、日本でも2023年12月20日販売開始されました。

アルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」(商品名レケンビ)が、日本でも2023年12月20日販売開始されました。(エーザイと米国バイオジェンが共同開発)

認知症治療薬はこれまでにもありました。従来の薬と「レカネマブ」は何が違うのでしょうか?

 

今まで承認されている認知症治療薬は、

 

  • ドネペジル(商品名アリセプト)、
  • ガランタミン(商品名レミニール)、
  • リバスチグミン(商品名イクセロンバッチ、リバスタッチバッチ)、
  • メマンチン(商品名メマリー)

 

と4種類あります。

 

既存薬は、今機能している神経細胞の機能をできる限り温存することで、認知症の症状を一時的に軽減する効果を期待して作られた薬です。

 

一方、レカネマブは、アルツハイマー病の主な原因とみられているアミロイドβを減らす作用が報告されています。脳内のアミロイドベータを軽減することでアルツハイマー病の進行を抑える効果が期待されているものです。

 

レカネマブに関して大いなる期待をこめてたくさん報道されました。その中でいくつかの大きな課題も指摘されていました。

新薬「レカネマブ」の課題

①治療対象者が限られる

MCI(軽度認知障害)、軽度のアルツハイマー型認知症の患者であり、アミロイドβの蓄積が確認できた人、および脳内に出血性病変がない人、抗凝固薬などの出血傾向の薬を使用していない人に限られます。

②副作用がある

発熱・呼吸困難、アレルギー反応等、軽度から中程度の症状が26.4%、脳浮腫6%、脳内出血等17.3%と報告されています。これに対し症状の悪化抑制は27%です。

③薬も検査も高額である

まず薬自体が高額です。(体重50kgの場合、年間298万円(一回500mg 114,443円x26回)体重が60kgの場合はさらに2割増し)。

さらに検査(事前、投与中)の陽電子放出断層撮影(PET)や脳脊髄液検査(CSF)が必要で、保険適用有無を考慮に入れたとしても経済的負担は軽いとはいえません。また、どの程度の期間投与が必要かなど長期の薬の有効性・安全性等今後検討を要する課題があります。

④実施できる病院が限られる

アミロイドβ蓄積を調べるPET検査対応施設は、60施設(推定)程度しかありません。検査体制が不十分であり、レカネマブを使用して治療ができる病院が限られていると思われること。

この他にもこれから様々な課題が現れてくると思われます。患者としては、この治療の必要性をどこに見出すかを見極めることが大きな課題ですね。

 

弊社では、加齢に伴い低下する認知機能を維持する機能をヤマイモの成分の一つであるジオスゲニンを含有した機能性表示食品として販売している「健脳ジオスゲニンゴールド」に託し、さらに単味生薬エキス製剤を一般用医薬品として開発するガイダンスが2015年に発出されたこともあり、薬効エビデンスと安全性が担保された生薬エキスを、認知機能を回復させるような医薬品として開発できる可能性を、今後も追及してまいります。

 

何はともあれ、お正月でなまった体を動かして、認知機能の衰えを吹っ飛ばしてください。(naka)

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