認知症関連 栄養成分

運動がもたらすもの

投稿日:2024年2月10日 更新日:

2024年1月1日に発生した能登半島地震により被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 

少し間があいてしまいました。今回の大雪で覚醒いたしました。(編集部注2月5日午後から6日にかけて関東地区は警報級の大雪でした。)

 

政治資金裏金問題に、旧統一教会との癒着問題。首相、文科相の国民を引っ張っていくにはとても覚束ないというより、脳みそ総入れ替えの必要ありそうな答弁の数々。本当に日本の行く末に一抹どころでない大きな不安を感じながらも何もできない自分が情けないのですが、気持ちを新たにして、2月最初のブログをお届けします。

先日の大雪で、首都高速道路は長時間閉鎖を余儀なくされました。全面解除にはなんと53時間もかかりました!首都高速道路閉鎖の解除に時間がかかった理由として、次の二つがあげられるそうです。

 

一つには、高架橋が多いこと。盛土の上にアスファルトが敷かれている他の高速道路と比べて雪が解けにくいのです。

二つ目は、路肩が狭いこと。集めた雪を外に運び出すのに時間がかかるそうです。

 

長時間にわたる首都高速道路の閉鎖は、首都機能が滞り、都民の生活にも大きな支障をもたらします。私は、首都高3号線を最も利用します。道路を見るとボルトが錆び、舗装面のつなぎも走りにくいのを感じます。修復修復の連続でいつまでもたせようとしているのか分かりませんが、高速道路としての基礎体力はかなり弱っていると思っています。

我々の体もガタガタのまま放置するのはよくないですね。親からもらった大事な体と認知機能を大切に維持していかなければならないと思います。

 

寒い冬の時期は家にこもってしまいますが、寒い中で運動するほうが運動の成果が出るお話をします。

 

身体には大別すると2種類の脂肪細胞があります。白色脂肪と褐色細胞です。

 

白色脂肪は主に内蔵、皮下に分布し、いわゆる蓄積される脂肪です。

 

一方褐色細胞は、肩から背中、特に背骨の周りに分布して、脂肪を燃焼しながらエネルギーを産生します。体内の栄養素を熱に転換し身体を温めると同時にカロリーを消費します。寒さを感じながら運動することは、通常より多くカロリーを消費します。ということはダイエットに役に立つというわけです。

さて、そもそも運動は、人にどのような効果をもたらしているのでしょうか?

 

人それぞれ多種多様な動機と効果があると思われますが、今日は少し異なった視点から二つの効果について説明します。すでに運動を定期的に行う方はお気づきだと思います。一つ目は、運動を続けていくと、筋肉と脂肪のバランスのとれた整った体になっていくということです。運動をすることによって「イリシン」というホルモンが筋肉から放出されます。褐色細胞からは「FGF21」というホルモンが生成されて、白色細胞が褐色細胞と同様にカロリー消費効果を促す働きとともに、褐色細胞自体を増加させる機能があることがわかっています。運動することによるカロリー消費の好循環が作られていきます。

二つ目は、体重を減少させ、血糖値の改善をもたらすことです。一つ目に出てきた「イリシン」というホルモンの作用です。少なくともマウスでの実験では、確認されています。さらに驚くことがあります。「イリシン」が脳の中にBDNF(脳由来神経栄養因子)(注1)を増加させるそうです。BDNFはタンパク質の一種で神経細胞の成長や再生を促す物質です。脳の中の海馬に多く含まれています。ということは、「イリシン」を上手に利用すると、脳にいい影響を及ぼすかもしれません。現在多くの研究者が、「イリシン」をベースとした神経変性の予防、認知機能の低下を予防する薬を創り出すなどの研究を重ねています。

 

「イリシン」が筋肉から放出されるには、できるだけ強めの有酸素運動を長期間にわたって行う必要があります。高齢者には少々荷が重い感じがします。カマンベールチーズ、高濃度のカカオチョコレートを食してもBDNFは有意に上昇するとの研究もあります。食べるほうで神経変性や認知機能低下に備えるのも楽しいことだと思います。

 

さて、もうすぐバレンタインデー!!バレンタインといえばカカオチョコレート!次回はスーパーフードのカカオニブについてお話ししましょう。

 

(注1)BDNF:脳にある神経細胞がつくりだすタンパク質で、記憶や認知機能に大きくかかわっています。BDNFの濃度が低くなると加齢に伴う認知機能の低下が起こる報告もあります。また、パーキンソン病、うつ病、統合失調症などの脳疾患では、BDNF濃度が低下していることも確認されています。BDNFは分子が大きいので脳関門を通過しにくいので、BDNFを増やす食品を発見することが大事になっています。

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