だいぶご無沙汰してしまいました。もうやめたのか?いえいえ。いろいろネタを蓄えておりました。またよろしくお願いいたします。
覚えていますか?「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」
今年(2021年)8月21日のブログで、アルツハイマー病治療薬「アデュヘルム(一般名アデユカヌマブ)」について取り上げました。本年6月7日に米国の食品医薬品局(FDA)によってアルツハイマー病治療薬として承認されたのですが、とかく色々な、どちらかというとネガティブな話が出ているということをお伝えしました。
そのブログはこちら↓
認知症根本治療への扉が開かれたのか?(新薬アデュカヌマブ)
その後、また新たな動きがありましたのでお伝えしたいと思います。
2021/11/17 バイオジェン・インクとエーザイ株式会社がプレスリリース
バイオジェン・インクとエーザイ株式会社が11月17日プレスリリースを出しました。
両社が共同開発した、アルツハイマー病治療薬「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」について欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が販売承認申請(MMA)を審査した結果、否定的な見解を示しました。
CHMPによる正式な勧告は、12月13~16日開催の12月度CHMPミーティングにて採択されることになっています。それを受けてEMAが承認の是非について判断することになります。
薬の認可について欧州と米国では、製薬業界の覇権争い、競合等、とかく科学的な評価とは異なる判断がされると言われることもあります。しかし今回は、米国でも条件付きの認可であり、かつ承認審査に対するいくつかの疑惑も報じられています。欧州でどのような結果が出ようとも厳しい状況になり、世の中が姦(かしま)しくなることは避けられないように思います。
個人的な意見ですが、アミロイドベータやタウが除去されても、副作用付きで、傷んだ脳の神経細胞が再生せず、情報伝達のネットワーク化がなされないとしたら、毎年約6百万円のお金は払いたくない。(小さい声で、払えない。)
そして、さらに追い打ちをかけるように、別のところからも暗雲が!
2021/11/17 ブルームバーグ・ニュースより
アメリカのブルームバーグ・ニュースは11月17日次のように報道しています。
アルツハイマー病治療薬「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」について、米大手保険会社は保険適用には有効性などに関するさらに多くの証拠が必要だとの見方を示しました。両社が画期的治療薬と位置づける高額なアデュヘルムは、販売が停滞しているということです。
ブルームバーグ・ニュースの調査に回答した保険大手25社のうち、年間5万6000ドル(約640万円)の同薬を「医療上の必要性が高い」と判断した会社はゼロでした。「医療上の必要性が高い」という言葉は、特定の疾病の治療に必要であり、かつ医学的基準を満たしていることを意味します。回答した企業の多くはアデュヘルムを実験的とみなしており、一部はまだ評価中だとしています。
保険各社は、有効性や副作用に関する不確実性を保険適用否定の理由に挙げています。
こういうことにも興味をもって、認知症予防を!!
(naka)