前回、血圧のお話を書いている途中に、どうしても書きたいことが出てきました。
それは食生活における塩分摂取のコントロールについてです。(私が現在、厳しい塩分制限生活を送っていることは、前回お伝えした通りです。)
厚生労働省や医学学会や大先生の皆様がおっしゃるようにはなかなか、、、、ということです。
令和元年10月に発表された日本高血圧学会減塩推進東京宣言―JSH減塩東京宣言―をご覧になったことがございますか?
一般人の食塩摂取の目標量 男性7.5g/日 女性6.5g/日
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」より
この減塩東京宣言は厚労省基準を上回る厳しさで「6g/日を目指した6つの戦略」を宣言しております。
- 過剰摂取の弊害と減塩の必要性の啓発
- 個人、集団における食塩摂取量の評価を推奨、減塩手法の提示を支援
- 子供の食育の一環としての減塩(塩育)の推進
- 外食・中食・給食での減塩化の推進
- 減塩食品の開発、普及の企業への働きかけ
- 減塩推進に向けた取り組みの行政への働きかけ
この宣言に基づいて、様々な働きかけ・推進が行われているのでしょうが、実際、テレビから流れる料理やグルメを扱った番組、飲食店では、減塩を意識しているとはとても思えません。
一度、定期的に自宅に届けられる減塩食を試したことがあります。温めればいいだけのお弁当的な食事です。塩分量はしっかりコントロールされています。しかし正直言って「おいしい」とはほど遠い病院食的な味。(おいしい病院食を出しているところにはすみません。個人的なイメージです。)食欲を満たすには程遠い。
「おいしい」と減塩は相容れない関係にあるということでしょうか。
実際の食品で塩分量を検証してみました。
あるコンビニのおにぎり
食品名(おにぎりの具) 塩分量
ツナマヨ≒1.0g
明太子≒1.1g
鮭≒0.9g
梅≒1.7g
1食分の軽食例として、おにぎり2個とカップ麺とすると、
おにぎり2個 約2.25g
カップ麺 4.9g(麺2.4g,スープ2.5g)
スープをがまんすれば合計4.65g、そうでなければすでに7g以上の塩分摂取量になります。
ちょっと美味しいカップラーメンでいえば、
醬油系5.0g~6.3g
豚骨系4.2g~6.25g
日〇〇王 辛〇坦々に至っては限りなく7gに近い数字です。
要するに下手すると昼食だけで10gに到達しそう!
そんな中、努力がみられる食品についてもご紹介しましょう。カップ麺ですが、塩分カットを打ち出している商品です。
どん兵衛きつねうどん(東) | どん兵衛きつねうどんソルトオフ | 緑のたぬき天ぷらそば | 緑のたぬき天ぷらそば塩分30%オフ | カップヌードル | カップヌードルソルトオフ | |
製造会社 | 日清食品 | 日清食品 | 東洋水産 | 東洋水産 | 日清食品 | 日清食品 |
内容量g | 96 | 96 | 101 | 72 | 78 | 79 |
総食塩相当量g | 5.0 | 3.5 | 5.8 | 2.8 | 4.9 | 3.2 |
食塩相当量 (麺・かやく)g |
1.7 | 1.3 | 2.0 | 1.2 | 2.4 | 1.4 |
食塩相当量 (スープ)g |
3.3 | 2.2
|
3.8 | 1.6 | 2.5 | 1.8 |
価格 | 214円 | 214円 | オープン価格 | オープン価格 | 214円 | 214円 |
購入は通販がメインだと思います。(店舗スペースと、売上高の問題かと思われますが、店頭ではあまりみかけません。)
企業努力は感じるけどもう少し頑張ってほしいですね。ということと、スープを飲まなければ何とかなるのかも!ということを感じてください。
その他のジャンルでは、ドレッシングや醤油などで、減塩商品が増えてきています。
またそこにとどまらず、「かるしおプロジェクト」認定商品[i]として南は九州、宮島醤油社(佐賀県唐津市)は、レトルト減塩カレー、減塩パスタに手を広げ、北の銀河フーズ社(岩手県花巻市)は、2015年には「30%減塩&糖質ゼロ」シリーズ品で「かるしお認定」を得られハム・ソーセージ類を製造されています。
このような企業が日本中で増えて、健康でおいしい食品を街中に溢れさせていただければ、日本人はもっと健康になり、健康寿命が延伸すること間違いありません。
念のため追記しておきますが、私自身は厳しい塩分制限下ですのでカップ麺などとは、ほぼ無縁の生活です。調べていく中で例としてわかりやすいので、今回とりあげてみました。減塩生活なのに カップ麵?のようなお気遣いはご無用です。(汗)
それにしても、筋子、塩辛、へしこ、これらはどうにもならないのかなぁ~(naka)
[i] かるしおとは、国立循環器研究センター(国循)が推奨する「塩をかるく使って美味しさを引き出す」減塩の新しい考え方で、その考え方に基づいた基準によって認定された商品」https://www.ncvc.go.jp/karushio/mark/ をご参照ください。
日本高血圧学会でも減塩食品リストを作成して、ホームページに掲載されています。https://www.jpnsh.jp/general_salt.html#gsalt04