認知症保険、認知症予防保険は何を解決するのか?
認知症に係わる保険の売れ行きが、認知機能の維持のためのサプリメントを販売している
当社とは違って、ものすごいらしく、少しばかりやっかみを入れて今回のテーマを書いてみます。
好評!認知症保険
認知症の人が、厚労省の新オレンジプランなどで予測されているように、日本では、2020年には約630万人、2030年には830万人と増加の一途をたどるということですが、そのなかにあって、認知症保険がヒットしているようです。(ここで述べる「認知症)は、病名を意味するものではなく、一般的に、記憶力,判断力、認識力などが、障害を受けることによって、社会生活に支障をきたしている状態、症状を意味します。」
認知症に対する不安が、認知症の保険のニーズを高めていると思われます。認知症の保険は大別すると「治療保障」と「損害補償」の二つのタイプがあります。前者は、生命保険会社によって販売されており、認知症と判断された場合などにおいて、一時金乃至年金が受け取れるものです。後者は、認知症の人が第三者に損害を与えたり、ケガなどの場合にその費用を補填するもので、損害保険会社によって販売されています。
認知症保険は、2016年3月に太陽生命が発売した「ひまわり認知症保険」に端を発して、それ以降各生命保険会社によって、それぞれ工夫を凝らした保険が発売されています。
損害補償タイプの保険は、2017年8月にリボン少額短期保険によって、「リボン認知症保険」が発売されて以来、このタイプの保険も各損害保険会社によって、創意工夫に満ちた多種多様な保険が発売されています。
これらの保険についてご興味ある方は、各社からの直接の情報に基づき比較検討されると思いますが、判断は、はっきり言って難しく、自分自身のニーズに出来るだけ合致する商品を選択してくださいというより他はありません。
なくならない 認知症の不安
ここで、述べたいことは、平均寿命が延びるスピードに、健康寿命の延びが追いつかず、益々長生きリスクをどのように回避していくかと言う根本の問題を避けては通れないこと。また、平成25年厚労省の調査によると、介護が必要となった原因は、要介護1~3では、認知症が第1位、要介護4~5では、認知症は2位(1位は脳血管疾患(脳溢血))となっており、高齢化すればするほど通常介護ではなく、より経済的負担が大きい認知症介護にならざるを得ないということです。(通常介護と認知症介護の金額の差は、在宅介護と介護施設を利用する場合では異なります。在宅介護の場合でも、年間40万程度の差)
さらに、当然のことながら忘れがちな点は、現代の医学において、重度な認知症を治癒する方法が未だ開発されていないということで、このことは、介護費用は、この世から去るまで必要になるということです。
お金が全てを解決するものではありませんが、寿命が長くなればなるほどお金が掛かるものです。認知症に係わる保険では、保険金支払いは、殆どが一時払いであり、認知症の症状がでてから、それ以降の介護に係わる費用の足しにするという点では、ある程度の貢献をすることは間違いがないところですが、どのような保険に加入するかと考えると同時に、どうしたら認知症にならないか、どのように予防をするかについて、真剣に考えることが肝要だと確信します。
―認知症保険は事態を解決するものではなく、支払われる保険金以上の解決を決してもたらすものではない。―
(自分でぶっつけた車の修繕費用の保険金支払いとは、全く異なることを肝に銘じる必要がある。
引き続き、健康寿命、認知症予防の方法等など想い巡ったことを書いていきます。