三つの寿命の延伸=介護期間の短縮=健康寿命の延伸
前回、三つの寿命について触れました。運動器の寿命、血管の寿命、脳神経の寿命が平均寿命の延びに追い付いていないことが、介護期間を長くし、健康寿命を短くする犯人だということができます。
それぞれの寿命の特徴を、介護が必要となる原因ともあわせて説明しましょう。
1.運動器の寿命――運動器の障害
「運動器の障害」により要介護になるリスクの高い状態=運動器症候群(ロコモ=ロコモティブシンドローム)といいます。
原因は二つあります。
① 運動器自体の疾患
加齢に伴う運動器疾患:変形性関節症、骨粗鬆症に伴う円背変形性脊椎症、関節リウマチによる体力・バランス能力低下。
② 加齢による運動器機能不全
加齢による筋力低下、持久力低下、バランス能力低下等による運動機能低下
運動器の寿命を延ばすのに最も大切なのは、継続する力です。皆様の周りには、様々な機会があると思いますが、続けることです。続ける工夫、例えば家族や友人と一緒に楽しみながら続けること。(コロナに注意しながらですよ!)
どのような運動をしたらいいかわからない方は、ロコモ体操・ロコトレ(日本整形外科学会)、ロコモ予防体操(順天堂大学)、コグニサイズ(国立長寿医療センター)など参考にしてください。家でもできる運動は沢山あることを発見できます。
―――個人個人に合ったレベルと運動量を、継続するのみです。―――
筋力を落とさず、運動機能の低下を遅らせるだけで、要介護になる原因トップ4のうち3つ、
認知症、
脳血管疾患、
骨折・転倒のリスク
を間違いなく下げることができます。
次回は、血管の若さについてお話をします。血管の寿命をどうやって延ばすかについて、皆様も良くご存じだと思いますが、もう一度、再確認しましょう。