認知症の予防
少しばかり長めの記事になりますが、できれば、最後まで読んでくださいね。
先週開催されていた食品開発展2019に行き普段の何倍の歩数を歩いてきました。出展者のブースを巡り、カプセル製造の進化とか、食材の多様化、国際化等を確認することの目的とは別に、講演で「老化予防食品の開発」を聴講してきました。
その中で、久し振りにランセット委員会の話がでたので、そのあたりのお話を今日はお伝えしましょう。ランセット委員会とは、英国の医学雑誌「The Lancet」の認知症予防、介入、ケアーに関する国際委員会です。この委員会は、2017年ロンドンで開催された、アルツハイマー病協会国際会議(AAIC2017)にレポートを提出しました。そのレポートにおいて重要な勧告がなされていますが、一方、認知症リスクの寿命ベースのモデルを発表し、認知症予防に焦点を当てたことが注目されました。集団レベルでの認知症の全発生率に対するリスク因子の寄与を推定し、認知症の全症例の約35%が、修正可能な9つのリスク因子に起因していると分析しています。9つのリスク因子は、大まかには、次の図のように、各ライフステージに分かれます。
図
このレポートの著者グループは、認知症発生率を減少させるには、認知症でない中高年層の高血圧の積極的な治療、介入(Intervention)としては、より多くの幼児教育、定期的な運動、社会的な関与の維持、禁煙、難聴、うつ病、糖尿病および肥満の管理を強く推奨しています。
このブログ読者には、私と同様、幼児教育は間に合いませんが、そのほかのリスク因子を減らすことにより、27%~35%と、大きく、認知症になる確率を減らすことができることになります。
最後に、先週の講演では三つの言葉を刻んできました。
- 進行性の老化は長い時間予防するしかない。
- 何十年も薬を飲むのではなくて、ここは食品で!
- 難聴になると認知症のリスクは約2倍(現状、過半数の人が、平均寿命までの10年間を難聴で過ごしている。
このブログでは、色々な観点から、認知症予防効果があると思われることを、これからもご紹介いたします。