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和漢薬のちから(その3)

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和漢薬のちから(その3)

認知症対策として期待される和漢薬その2

これらの漢方薬が認知症対策に有効であることが期待されますが、複数の生薬で構成されているためこれら漢方薬において、構成生薬中で特にどの生薬が重要なのか、さらにその生薬の中のどの成分(化合物)が薬効を担っているのか、その成分の脳でのメカニズムはどのようになっているのか、といったことについて、詳細な解析は十分になされていません。

 

アルツハイマー病では、その診断が下る20-30年前から脳内の変性が始まっています。脳内に蓄積するアミロイドベータが引き金になって、神経細胞の回路のつながりが途切れてしまい、神経細胞同士の信号のやり取りが上手くいかなくなる状態が徐々に進行します。脳内の神経細胞は再生能力に乏しく、いったんダメージを受けると元気を取り戻すことが難しい細胞です。それが、認知症の治療を大変難しいものにしているのですが、逆に考えれば、脳内の神経回路網が障害されてからでも、それが修復さえされれば認知機能が回復するわけです。

東田 千尋(とうだ ちひろ) 教授

富山大学和漢医薬学総合研究所神経機能学領域 薬学博士
和漢薬や漢方薬の秘めたる力をテーマに20年以上にわたり、認知症の予防、改善につながる研究を行う。
2017年 発明名称「アルツハイマー病の治療剤を含む、神経細胞の軸索の機能不全が関与する疾患の治療剤」、
発明名称「神経回路網の再構築・賦活剤」で特許取得している。

 

出典 クレールライフ2020年冬・春号 東急不動産株式会社 発行

 

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