コロナと歯痛の関係!?
4月18日は「よい歯」の日だったそうです。この日を意識して生活をしたことは今までなかったのですが、少し調べてみると、1993年(平成5年)に、11月8日(いい歯)、6月4日(歯と口の健康習慣)、9月第3月曜日(敬老の日)を、歯科保険啓発活動のPRの日として日本歯科医師会が定めたということです。
認知機能に大きく関わる「歯」を大事にすることは、私どもも常日頃皆様にお伝えしていることで、今日は更に一つお知らせです。
記事をお読みになられた方もいらっしゃると思いますが、東京医科歯科大学等のチームが
「新型コロナウイルスの感染拡大中に収入が減少した人は、歯の痛みの出現率が1.4倍になる」
との研究結果を発表しました。この研究は昨年8~9月に15歳~79歳の男女を対象にしたインターネット調査の結果ですが、現在では、変異型ウイルスの拡大などコロナ禍になかなか光が見えない深刻な状況が続いているので、歯痛の出現率はもっと高くなったかもしれませんね。
(出展 Journal of Dental Research2021年4月1日)
私は、収入が激減しているせいか歯だけでなく、視覚も嗅覚も、腰も膝も股関節もとあちこち傷んでいます。何それ? それは、金欠じゃなくただの老化が原因?(どちらも原因-本人の声)
収入減少→→歯痛のうちはまだいい?けど、歯痛→→認知症の発症確率は、どうも1.4倍どころではなさそう。より深刻・・・
自分の歯を残すことは、こんなに大事!!
ただでさえ、コロナ禍の影響で「社会性」を失わざるを得ない状況の中、高齢期の皆様の認知機能が急速に衰えていることが、色んな所から報告されています。
それについては、近いうちにまとめようと思っていますが、今回は「歯」に集中して、いかに「歯」のケアーが大切かお伝えします。
歯周病が認知症の発症に関与する可能性があるという論文が発表され、歯医者さんのブログにもたくさんその記事が出ています。
また、少し古いのですが、残存歯が少ない人ほど認知症になりやすいという東北大学医学部と歯学部の共同研究も発表されています。
(MSNニュース2003年11月25日)
もう少し詳しく述べてみます。1167人の仙台市内の高齢者を対象にした調査です。
70歳以上の方で残存歯を比較しました。
脳が健康な方・・・・14.9本
認知症の疑いがある方・・・・9.4本
脳が健康な方の方が、認知症の疑いがある方より歯が5本も多いですね。
残存歯と認知症の関係が示唆されています。
また、69歳から75歳の高齢者の脳をMRIで撮影し、残存歯や、かみ合わせの数と、脳組織の容積の関係を調べたところ、
歯が少ない人ほど、海馬付近の容積や、脳機能に大きく関連する前頭葉の容積も減っていることが判明しています。
またまた2017年の東北大学大学院歯学研究科による研究ですが、
自分の歯が多く保たれている高齢者は、
健康寿命が長く、要介護日数の短縮に寄与する可能性
が示されています。この研究について詳しくお知りになりたい方は、次のURLをご覧ください。
東北大学プレスリリース
自分の歯が多く保たれている高齢者は健康寿命長く、要介護日数短い
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20170628_01web.pdf
要介護になる最大の理由は認知症です。健康寿命の延伸は、歯から。
コロナ禍による収入減少
↓
歯痛
↓
自分の歯の減少
↓
認知機能の低下
↓
認知症
ということになります。
収入が減らなくても、自分の歯を大事にできないと認知症になり、健康寿命が短くなることを、くどくどと申し上げました。
くれぐれも歯と歯茎を大事にしましょう。
(naka)